あらすじ
名家の没落を防ぐため、望まぬ縁談の身代わりとして後宮に上がった月城珊瑚(つきしろ・さんご)。実家の薬屋で鍛えた「毒に効く鼻」を頼りに、目立たず、関わらず、ただ生き延びることだけを考えていた。ところが皇太子付きの毒味役に任じられた矢先、原因不明の中毒事件が立て続けに起こる。都合のいい犯人捜しの矛先は、いつしか「気に入らない女」である珊瑚へと向けられ始める。そんな彼女の前に現れたのが、隣国から招かれた宮廷魔導士――人前では声を発せない「沈黙の魔女」ノア・アシュフォードだった。言葉を交わせない魔女と、余計な口を利きすぎる毒味役。奇妙な二人が手を組んだとき、後宮の闇に隠された本当の毒が姿を現す。