あらすじ
王宮で夜な夜な子どもたちが目を覚まし、閉ざされた東回廊へ歩いていく。彼らはみな「亡き王妃が鐘を鳴らした」と証言し、宮廷では幽霊の仕業だと噂されていた。
薬草店で育ち、鼻と記憶には少し自信のある新人薬庫番ナギは、魔術技師ミオとともに調査を始める。人前で話すのが苦手なミオは、いつも小さな黒板に言葉を書く。ナギは、眠り歩きの子どもたちの袖に残る匂いと、封鎖された回廊の古い仕掛けに気づく。
幽霊はいない。けれど、誰かが「幽霊の噂」を必要としているらしい。薬草と魔術、それに宮廷の思惑が絡み合うなか、二人の夜番が始まる。