あらすじ
二百年後。
人類は、機械を設計して作るより、優れた個体を選び、コピーし、何世代にもわたって育てるようになっていた。
世界の都市を支える水処理系も、そうして改良されてきた。
ところがある日、各地の水循環系が次々と能力を失い始める。
調べてみると、故障した系統の大半は、六千世代前の同じ「親」へと行き着いた。
月で独自に育った水処理系なら耐えられる。
だが、月の機械は地球では六十一時間と十二分しか動かなかった。
機械は一台では生きられない。
そして地球には、もう一つの可能性が残されていた。
岐阜の山中で、百三十七年間動き続けている、時代遅れの水処理系。
なぜ、それだけが残ったのか。
答えは、あまり立派なものではなかった。