あらすじ
「私にしかできないことをしたい…」「誰でもできるようなことじゃ、やりがいを感じられない…」
今も昔も、社会はそんな声で溢れている。
無理もない。「こんなことできるのは君だけだよ」なんて褒められて、気分が高揚しない者などまずいない。
特別扱いされることに、極めて大きな快楽を感じるのが人間という生き物の性である以上、当然と言っていいだろう。
しかしながら、
「私にしかできない」が可視化され、正式な価値基準として確立されたのは、意外にもごく最近のことである。それを可能としたのが、いまや全世界統一基準にまで成熟した、HMP(How Many People)カウンターだ。
ありとあらゆるものがデータ化・蓄積されるとともに、信じられないスピードで解析されるようになった現代において、こういった技術が生まれ世の中に浸透していくことは、ある意味想定内のことであった。ただ一点、それが貨幣に換算されるほど、共通価値としての地位を築くことになる、という点を除いては…