あらすじ

平安の中頃、荒れ果てた朱雀門には、鬼が出るという噂があった。ある月夜、雅楽の名手・源博雅が門前で笛を吹いていると、闇の奥から美しい笛の音が返ってくる。現れたのは、噂に聞く朱雀門の鬼だった。二人は言葉を交わすことなく、笛の音だけで心を通わせ、月の美しい夜ごとに合奏を重ねるようになる。やがて博雅は鬼の笛に魅せられ、自分の笛と交換してほしいと願う。鬼はそれを受け入れ、闇へと消えていった。 博雅の死後、その笛は僧・浄蔵の手に渡る。しかし名手である浄蔵にも、なぜか思うように吹くことができない。悩む彼の夢に「月夜に朱雀門へ行け」とのお告げが現れる。恐れながらも門へ向かった浄蔵を待っていたのは、かつて博雅と合奏した鬼だった。鬼は笛の音を聞き、「今もなお、この笛は良い音がすることよ。しかし、博雅ほどには吹けぬようだな」と告げる。笛に刻まれた二つの葉形の傷から、その名は「葉二」と呼ばれるようになった。やがて「天下第一の笛」として語り継がれることになる、奇妙な笛をめぐる月夜の怪異譚。

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エブリスタ2026/09/24
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