あらすじ
黄昏の中に突然現れた年配女性が、私(磯野佳織・二十三歳)に、お金を受取りに行けと言う。
彼女はヤマザワサンで、私が東京に住んでいた頃にアルバイトをしていたフラワーショップの客だった。当時と同様に彼女は強引なうえに、怪しく不自然だったため私は指示に従って山澤家を訪ねた。家族によれば、彼女は二年前に亡くなって、私に一切の財産を遺贈する遺言書を残していたが、財産は無きに等しいらしかった。
まもなく東京の弁護士から連絡があって、私は一面識もない川本里梨子の遺産の指定相続人だと知らされる。『資産家夫人殺人事件』の被害者がなぜ、数十億円の遺産を私に与えるのか? 川本里梨子が殺害されたのはヤマザワサンが現れた日だった……
次々と出没する幽霊? 自称超自然現象研究家兼探偵の酉井善次郎との出会い、二転三転する『資産家夫人殺人事件』……
夢破れて帰郷した私は鬱屈した日々を送っていたが、予測不能な事態に巻き込まれて活力を取り戻してゆく。