あらすじ
海に流されたガラスの破片が、美しいシーグラスになるように。
十八歳の男子高校生、湊は一人の女性に出会った。
静岡県の田舎町に住んでいる湊。慌ただしい生活の中で唯一の救いは、早朝のサーフィンだった。
そんな中、夏休みを迎えてすぐ、幼馴染の佳帆が交通事故に遭う。
自分のせいだと感じた湊は、罪悪感から佳帆の「彼氏」になる。
そんな夏、佳帆が入院した家に見知らぬ女性が現れる。
名前は愛奈。二十年間捨てられていた、佳帆の「姉」だった。
彼女がこの家に呼ばれた本当の理由を知った湊は、彼女を引き留め続けるうちに惹かれていく。
「水槽の中みたいだね」
「このままずっと、ここにいたいね」
誰かのために生きること。誰かを救うこと。
優しさの檻に囚われた二人は、サーフィンを通じて心を通わせるが……。
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「──行かなくていい」
こんな状況になって、抱いている感情を、言葉でしか伝えられない。──俺に抱き締める資格は、ないから。
「行かなくていい。救わなくていい。知らなくていい。なにもしなくていい。逃げていい。どこに行ってもいい。誰かの身代わりにならなくていい。親なんて助けなくていい、きみは」
湊は愛奈の肩を掴んでいた手を離す。
「きみは、きみだけのものだ」
※完結まで書き終えています。推敲終わった章からこちらに載せていきます※