あらすじ
大学卒業後、人間関係に挫折してわずか3ヶ月で退職。それから半年間、四畳半の薄暗い部屋に引き篭もり、自分の価値を見失っていた佐藤蓮。
「おい蓮。お前、相変わらず陰気臭い部屋に住んでんなぁ」
そんなある日、壁をすり抜けて現れたのは、2年前にお気に入りのアロハシャツを着て死んだはずの祖父・一郎だった――。
実体がなく、物を持つことも、孫の背中を物理的に押してやることもできない幽霊のじいちゃん。だけど、誰も自分を気にかけない世界で、じいちゃんだけは真っ直ぐに俺を見て、生前と変わらないお節介な小言をくれる。
これは、心を閉ざした孫が、不器用で温かい幽霊のじいちゃんとの奇妙な共同生活を通じて、もう一度自分の足で一歩を踏み出すまでの、家族の物語。