あらすじ
勇者召喚に巻き込まれた高瀬悠真が授かったのは、《聖剣》でも《大魔導》でもなかった。
《魔導脈設計》。
魔力の流れと、“魔法をつなげられる場所”が見えるだけ。
戦闘適性E。魔術適性E。
勇者一行では役に立てないと判断された悠真は、一行を離れ、辺境都市リベルへ向かう。
そこで出会ったのは、魔導機械を作る才能を秘めた狼獣人の少女リナ。
そして、誰にも動かせないまま放置された巨大な古代魔導塔だった。
悠真が塔を調べて気づいたのは、この世界の魔法があまりにも「個人の才能」に依存していること。
強い魔術師なら、大魔法を使える。
魔力の弱い者には、何もできない。
――だったら、魔法を“つなげて”しまえばいい。
魔晶石をつなぐ。
魔導具をつなぐ。
魔術師をつなぐ。
街をつなぐ。
やがて悠真とリナが作った一本の小さな魔導線は、魔導灯を点け、井戸を動かし、都市を守る巨大結界へと成長していく。
さらに悠真のもとには、都市を守る結界術師セレス、天才魔術師コレット、魔導網を商売と都市運営へ変えるミレイユ――それぞれ異なる才能を持った少女たちが集まり始める。
作る者。
守る者。
術式を組む者。
運営する者。
そして、それらすべてを“つなぐ”悠真。
彼自身は、いつまで経っても最強の魔法使いにはならない。
けれど、彼が人と魔法をつなぐほど、仲間たちの力は何倍にも広がっていく。
一軒の魔導灯から、街へ。
街から、隣の町へ。
やがて王都、国家、異種族、そして大陸全土へ。
これは、役立たずとされた男が最強になる物語ではない。
彼が仲間たちと作り上げた《魔導ネットワーク》が、世界最強になっていく物語である。