あらすじ
現代でシステムの検証作業(デバッグ)に従事していた青年・巡(メグル)は、ある日突然、見知らぬ荒野へと排出される。
目覚めた彼を待っていたのは、手首に刻まれた謎のバーコードと、脳内に響く無機質なシステムアナウンスだった。
《境界内領域における死亡個体の継続稼働を確認》
《状態:死亡》
世界の神が「人間こそが腐敗の根源である」と誤認し、人間を排除しようとする世界規模のバグが発生している異世界。
そこでメグルが得たのは、エネルギーの流れを真逆にひっくり返す異能――『反転』。
しかしそれは便利な無敵チートではなく、使うたびに激痛と自身の命(HP)をすり潰す危険な劇薬だった。
「勝てないなら、勝ち方を変えるまでだ」
凡人であるメグルは、デバッガーとしての冷徹な観察眼と泥臭い試行錯誤で、圧倒的な格上相手に戦術で立ち向かう。
やがて彼は、壊れた物が集まる前線技術都市エルディアで、空間を止める《境界種》の少女・セリア、戦場を数値化する観測技師の少年・テオと出会う。
一人では死ぬだけの能力も、仲間が作った「足場」と「時間」があれば、勝利の切っ先へと変わる。
死地である断層帯の開拓、規格外の仲間たちとの出会い、そして自分たちを排除しようとする世界の理《順行法則》との対峙。
これは、世界から弾き出された一人の異物が、生き残るための泥臭い技術を仲間へと手渡し、やがて世界そのものを反転させる社会を築いていく物語。