あらすじ
十五歳で、《第四星位・セレスティア》を授かった侯爵令嬢エレナ。
期待されるまま学び、
期待されるまま王宮へ上がり、
「さすがエレナ様」と言われる立派な令嬢になった。
――けれど、心のどこかではずっと、王宮を辞めたいと思っていた。
そんな十八歳の春。
エレナは、異例の《再星の儀》へ招かれる。
もし最高位《第五星位・エンピレオン》になれたなら。
ここまで頑張った。
もう十分。
好きに生きていい。
そう、自分に許可を出せると思った。
けれど、五つ目の星は灯らなかった。
五つ星が駄目なら、あと一年。
もう少し評価されたら。
もっと自信がついたら。
自由になりたいはずなのに、
自由になるためにさえ、自分へ試験を課し続けるエレナ。
いつの間にか、
誰かにどう評価されるかが、自分の価値を決める物差しになっていた。
これは、そんな少女が、
何者かになることより先に、
自分が見たいもの、知りたいもの、やってみたいことを選び始めるまでの物語。