あらすじ
渡辺芽衣は、ただ誰かが隣に座っただけで、空の色が変わるなんて思いもしなかった。
物静かで、話すことよりも文字に紡ぐことを好む少女、芽衣。彼女は自分の感情を胸の奥にしまい込むことに慣れていた。
しかし、鈴木葵が現れたとき――静かな足取り、問いかけるような瞳、そして奇妙なほど自分と似た沈黙を纏った彼女の登場によって、芽衣の世界は変わり始める。
言葉のない静寂の中で二人は通じ合い、静けさの中で共に育まれていく。
けれど、すべての恋がすぐに認められるわけではない。すべての感情に、簡単に名前がつけられるわけでもない。
『君色に変そまる空』は、静かに紡がれる勇気、告げられることはなくても決して消えることのない愛、そして、世界が二人を引き離そうとしてもなお、お互いを守ることを選んだ二人の少女の物語。
それは、静かな眼差しと、決して読まれることのない言葉、そして、ゆっくりと色を変えていく空の物語――。