あらすじ
公爵令嬢アメリアは、六年間にわたり王太子妃教育の一環として、王家の「冬支度」を補佐してきた。
穀物備蓄、薪炭、薬草、除雪契約、施療院への配給。
表向きは補佐だったが、実際には複数の部署をつなぐ調整役を担っていた。
そんな中、王太子エドワードから婚約解消を告げられる。
理由は政略上の方針変更。
不貞でも陰謀でもなく、王家と公爵家の双方が了承した正式な決定だった。
アメリアは受け入れ、三週間かけて引継書を作り上げる。
そして最後に言う。
「今年の冬は、私の仕事ではございません」
だが、最初の雪が降る前、引継書には書けなかった「人と人との約束」が次々と問題を起こし始める。
誰か一人が悪かったわけではない。
ただ、一人の善意に仕事が集まりすぎていた。