あらすじ
四十年以上、街の裏側に君臨してきたマフィアのボス、ヴィットリオ・ロマーノ。六十八歳。
彼の逮捕によって、一つの伝説が終わった――はずだった。
警察が資産を調べる中、捜査官マルコは奇妙な土地を発見する。
その所有者は、ジュゼッペ・ベッリーニ。七十歳。元仕立屋。前科なし。
マフィアとの関係を疑われたジュゼッペは、堂々と言い放った。
「わしはファミリーじゃない。客じゃ」
四十二年前、道端で撃たれていた若きヴィットリオを拾ったジュゼッペ。
命を救った礼に土地をもらい、それ以来続く二人の腐れ縁。
ところが本人は、逮捕された旧友を心配するどころか、
「刑務所入るなら時計くれ」
「命を助けたんじゃぞ。遺産二割くらいええじゃろ」
と、今日も元気にたかっていた。
そんなジュゼッペにも唯一、逆らえない人物がいる。
五十年前、スリだった彼を捕まえて以来ずっと首根っこを押さえ続けている妻、ソフィアである。
しかし、ヴィットリオの逮捕をきっかけに街の均衡が崩れ始める。
動き出す敵対組織。
狙われるヴィットリオの家族。
そして、何も知らない二人の孫。
四十二年前に偶然出会った二人の老人は、それぞれの家族と街を巻き込みながら、再び同じ騒動へと足を踏み入れていく。
これは、伝説のマフィアと元スリの仕立屋――
二人のアウトローじじいと、ときどき婆さんと孫たちの、少し物騒でやたら騒がしい老年バディ・クライムコメディ。