あらすじ
紀元前228年。韓は滅び、趙もいままさに陥落した。秦の天下統一は、もう目前に迫っている。
そんな大陸の激動を、僕は斉の都・臨淄の片隅から眺めていた。現代日本から転生した、しがない小役人である。
歴史の結末は知っている。
だから抗わず、目立たず、平穏に暮らすと決めていた。
ところがある日、秦への徹底抗戦を唱える王族に見出され、食客として囲い込まれてしまう。やんわり辞退したのに、僕は無理やり最前線へと引きずり出された。
生き残るために知恵を絞った結果、歴史は少しづつ軋み始めてしまう。
死んだはずの荊軻がなぜか生きていて、斉王を恐喝しに現れる。斉軍が勝つたびに、宰相は味方のはずの僕を消そうとする。
……いっそ縄文時代の日本にでも亡命しようか。冗談ですけど。
秦には勝てない。歴史は変えられない。無駄な抵抗で乱世を長引かせ、民を死なせたくもない。
これは、何も変えたくなかった男が、いつのまにか秦の天下統一に泥を塗る「軍師」にされてしまう物語。