あらすじ

魔王軍との激闘を制し、王国へ凱旋を果たしたロイ王子。しかし、婚約者であるミリー王女は、彼の冷え切った手肌と、碧眼の奥に煌めく不気味な紫の光に異変を察知する。その夜、ミリーが目撃したのは、鏡に向かって見知らぬ言語で話すロイの姿――彼の身体は、魔王復活を目論む邪悪な存在「エンペラー将軍」に乗っ取られていたのだ。 将軍が狙うのは、あらゆる精神支配や幻術を無効化する王家の聖遺物、青い宝石のペンダント「真実の眼」であった。それがミリーの身にある限り、将軍は彼女に近づくこともできない。将軍は城内の治安強化を口実にペンダントの没収を企て、城全体を恐怖と洗脳で徐々に支配していく。 絶望的な孤立の中、ミリーは城の地下で魔王復活の祭壇の手がかりを掴み、逃避行の末にかつての優しいロイの意識の断片と邂逅する。お互いへの変わらぬ愛を確認し合う二人。そして、ついに迎えた満月の夜、古城の広間で魔王復活の儀式が始まる。 完全に紫の瞳に染まったエンペラー将軍は、本性を現してミリーを追い詰め、ペンダントを奪おうと迫る。絶体絶命のピンチの中、ペンダントの聖なる光とミリーの叫びが、ロイの心の奥底に眠る魂を猛烈に揺さぶる。 「ロイなら、そんな取引は望まない!」 その言葉を契機に、将軍の意思に逆らってロイの身体が動き出す。 魔王の復活を完全に阻止し、寄生する将軍を道連れにするため、彼は自らの胸に短剣を突き立てる。 最後に美しい碧眼と優しい微笑みが戻り、ロイは愛する人に最期の愛を告げて静かに息絶える。 ロイの死によって世界は救われ、王国には平和が戻る。 ミリーは胸元にペンダントを掲げ、庭園の小鳥たちのさえずる中で前を向いて生きることを誓う。 風に揺れる髪の中、遠くから聞こえた「おかえり」の気配を感じながら、愛する人は自分の魂のまま、確かに還ってきたのだと知る。

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小説を読もう2026/09/24
  • 現在の作品魔王を殺した王子、私を救った恋人