あらすじ

湯治場の壁に、古い額が掛かっている。効能ではなく、禁忌症が書いてある。入ってはいけない人のことだけが、三行。 わたしは十一年ぶりにその宿へ来た。一日一回だけ湯に入り、朝は湯の花を掬い、言われたとおりに四百ミリリットルだけ飲む。 温泉法は、十年以内ごとに湯を分析し直すことを決めている。分析が終わった。額に、一行だけ増えた。 湯は変わっていない。わたしも変わっていない。それでも、一行は増えた。 効くとは、どこにも書いていなかった。

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小説を読もう2026/09/24
  • 現在の作品湯の花