あらすじ
下総平美、高校生。
彼女には、誰にも負けない特技がある。
弓を引けば、風の流れが「色」として感じられる。
県大会でも上位に入る実力を持ちながら、平美は自分を「Cランク」だと思っていた。
成績優秀、容姿端麗、誰からも愛される兄。
何をしても兄と比べられる自分。
「私には何もない」
そんな思いを抱えたまま、北海道への修学旅行に向かった平美たちを、猛烈な吹雪が襲う。
そして――観光バスは崖下へと転落した。
意識を失う直前、平美が思ったのはただ一つ。
――私の人生、Cランクのまま終わるんだ。
だが、目を覚ました彼女を待っていたのは、死後の世界でも、知っている日本でもなかった。
白い雪。
見知らぬ人々。
そして、平美がまだ知らない「日本」。
雪の向こうにあるのは異世界なのか。
それとも――私たちの知らない、もうひとつの日本なのか。
これは、自分を「Cランク」だと思っていた少女が、白い雪の向こう側で自分自身と世界の秘密に触れていく物語。