あらすじ
横浜・関内の古い法律事務所で働く若手弁護士・佐倉結衣は、依頼人の感情を鋭く感じ取る一方、それを事実と取り違える未熟さを抱えていた。ある夜、再開発利権を追う記者・広岡が港の第十七倉庫で刺殺され、日雇い労働者の村上健太が自白の末に逮捕される。恋人・美咲の依頼で弁護を引き受けた結衣は、防犯カメラの「十一分のずれ」や止められた壁時計から捜査の綻びを追ううちに、大企業・堂島ホールディングスの影に行き当たる。それは師・神崎が十五年前に敗れた贈収賄事件ともつながっていた。師への疑念、証人への脅迫、そして依頼人自身が隠していた嘘――。結衣は「信じる」のではなく「確かめる」ことを武器に、裁判員裁判の法廷で真実に迫っていく。