あらすじ
王宮には、美しく着飾って廊下を歩く『王宮の花たち』がいる。私もその一人だ。ただし、ひときわ華やかな四人組と違って、誰にも気づかれない地味な花。
その四人には、道を尋ねてきた男性にわざと嘘を教える悪い癖があった。私は迷子になった人を助けてきたが……
あとから知ったのだが、彼らの中には、辺境伯や隣国の大使に仕える美男子までいたのだ。
もう好機は逃さない。そう決めて四人のあとをつけたある日、爵位を継いだばかりの若い男性が、またしても間違った道を教えられる。
私は仕事中を装うバインダーを抱え、彼に声をかけた。
親切で控えめな令嬢に見えるよう、準備は万全。けれど、その出会いが私を王宮の思わぬ騒動に巻き込むことになるなんて、まだ知らなかった。
地味な花が幸せをつかむ、少し計算高くて賑やかな恋のお話。