あらすじ
十五歳の風術士リーフ・ヴェルデには、幼い頃からの夢があった。
グラス大陸の中心にそびえる、世界樹をこの目で見ること。
その夢を叶えるため、修学先のパルテナ王立魔法学校に休学届を出し、アルボリア王国へやって来たリーフ。ところが、ひょんなことから王国が新設した「勇者代行制度」に巻き込まれ、勇者の代わりを務めることになってしまう。
集まった仲間は、パン屋で働く十二歳の少年カイ、リーフに一目ぼれした樹木医助手の少年ノア、回復の力を封じられた元聖女エレナ、美人だけどストイックな行商人ミレイユ、ミレイユの事が大好きな女武道家ネイル等々。そして、小さな犬の姿をした高位霊獣モフィ。
剣も魔法も、経験も目的もバラバラ。
しかも、彼らを待ち受けていたのは、魔物との戦いだけではなかった。
老獪かつ豪快な宰相、邪教集団の幹部、ヒステリックな側室、面倒くさい思想家兼ジャーナリスト、貪欲な銀行屋、さらには勇者狩りが趣味の元黒騎士まで――個性的すぎる者たちが、次々とリーフの前に現れる。
これは、選ばれし勇者の物語ではない。
世界樹を見たいだけだった心優しい少年と、少し変わった仲間たちが、それぞれの正しさを抱えて歩き始める「勇者代行」の物語。