あらすじ
宮川蓮夜は、友人と共に立ち入りを禁じられている禁足地へ足を踏み入れる。
何事もなかったようにみえたがしかし翌日、蓮夜の身体に異変が起こる。
突然の高熱と嘔吐。まるで身体そのものがおかしくなったような症状に襲われる。
それからしばらくして――。
なぜか身体が徐々に軽くなっていく。
そしてある時、蓮夜の身体から黒い霧のようなものが現れた。
黒い霧は、まるで意思を持っているかのように言葉を発する。
「クソ、殺せなかった。あとちょっとだったのに」
そして蓮夜の目を見て、
「その目……あいつと同じ。どれだけ俺をイラつかせれば」
そう吐き捨てると、黒い霧は消えていった。
何が起きたのか分からないまま翌日を迎えた蓮夜は、今まで見えなかった霊が見えるようになっていることに気づく。
家族に話してみても、家族には何も見えていない。
その数時間後――。
友人の母親から電話がかかってくる。
告げられたのは、友人が亡くなったという知らせだった。
死因は、四十度を超える高熱。
蓮夜自身が禁足地へ行った後に経験した症状と同じだった。
大切な友人を失った蓮夜は、深い絶望に陥る。
それでも数週間後、蓮夜はこのまま何もせず終わるわけにはいかないと考え、友人の死と自分に起きた異変について調べ始める。
そこで知ったのは、自分の家系が古くから続く名のある霊媒師の家系だったという事実。
実家には霊術について記された古い書物や、「封印の書」と書かれたものまで残されていた。
蓮夜が祖母に事情を話すと、祖母は驚いた表情を浮かべる。
「……あんたが選ばれたのか」
宮川家では、百年に一度、霊力の質と量が特に優れた者が生まれる。
そして、その「選ばれた者」が蓮夜だった。
祖母から本家の住所が書かれた紙を渡された蓮夜は、本家の人間に全てを話すよう告げられる。
友人の死の真相を知るため。
そして、自分の身体に起きた異変の正体を知るため。
蓮夜は一人、本家へ向かう。
――そこで待っていたのは、彼の人生を大きく変える霊媒師たちだった。