あらすじ
「役立たずの井戸番など不要だ。その薄汚い古井戸ごと、貴様を領地から追放してやる!」
婚約披露宴の大広間で、異母兄オズヴァルトからそう言い渡された庶子令嬢リーゼロッテ。嘲笑と侮蔑の視線が突き刺さる中、彼女はただ静かに一礼して「……どうぞ」と受け入れました。
ですが――誰も知らないのです。その涸れかけの古井戸こそが、公爵領全体の飲み水を支える、たった一つの『生きた水源』であることを。
前世は日本の水道局技師。事故で命を落とし、公爵家の庶子として転生したリーゼロッテは、二十年もの間、井戸に宿る水精霊ウンディーネと共に、秘かに領地の水を巡らせてきました。
拗ねて水を与えなくなった幼い精霊。誰にも必要とされなかった令嬢。報われない献身の日々は、もう終わり。
役所仕込みで肌身離さず保管してきた『精霊契約書』を切り札に、彼女は井戸ごと領地を後にします。水源を失った公爵領がどうなるかも知らぬまま――。
口下手で優しい竜人の将軍との出会い、愛らしい水精霊との旅。追放された先で、水源令嬢はようやく自分の居場所を見つけていきます。
ざまぁと癒しが詰まった、痛快転生スローライフ、開幕ですわ!