あらすじ
「精霊も持たぬ紛い者。木漏れ日ごときに、いったい何ができる?」
第二王子アルヴィスに婚約を破棄され、聖女の座を異母妹に奪われた公爵令嬢セレスティア。彼女には前世の記憶――ブラック企業で過労死した元社畜の記憶があった。理不尽な扱いなど飽きるほど味わってきた彼女は、抵抗も懇願もせず、静かに退職届を置くように婚約破棄を受け入れる。
「そうですか。では、遠慮なく辞めさせていただきますわ」
追放先は、呪われた北の枯れ森。だが満員電車もパワハラ上司もないその場所は、彼女にとってむしろご褒美だった。
そして誰も知らなかった。セレスティアだけに見えた「木漏れ日色の妖精」リオ――それが、大陸すべての生命を司る原初精霊、千年ぶりに心を許した相手を得た《森の女王》であったことを。
枯れ森は瞬く間に緑あふれる楽園へと生まれ変わる。前世の知識を活かしたスローライフを満喫する一方、彼女を追放した王国では、大地の恵みが静かに枯れ始めていた。
復讐なんて、しなくていい。手を汚すまでもない。わたくしはただ、正当に評価してくれる場所へ移っただけ――。
やがて森の噂は国境を越え、同じ痛みを抱えた隣国の王女までもが訪れる。木漏れ日色の光が、理不尽に消されかけた者たちを優しく照らし、世界を変えていく。
痛快な追放ざまぁ×癒しのスローライフ、開幕です。