あらすじ

離婚まで、あと九十日。朝食の席でロジーナが広げたのは、財産分与の書類ではなく、一枚の願い事リストだった。 「別れたら、市場で買い食いをしてみたいんです」 向かいの夫は、なぜか上着を取りに立ち上がった。 「では、今日行こう」 望まぬ縁談を避けるため、一年だけの契約結婚を選んだ二人。約束をきちんと守る夫と、迷惑をかけないことが得意な妻は、これまで一度も喧嘩をしていない。恋人らしいことも、したことがない。 それなのに、離婚後の夢を話した途端、夫が妙に張り切り始めた。 芝居を最後列で見る。自分の描いた絵を売る。知らない街に一人で泊まる。願いが一つ叶うたび、夫の知らなかった顔が増えていく。 「一人旅ですから、お留守番ですよ」 「……迎えにも行ってはいけない?」 大事にされるほど、契約だから優しいのだと思っていた日々が、別の色に変わっていく。でも、幸せになるために結んだ約束を、寂しさだけでなかったことにはしたくない。 リストの最後は、『好きな人と結婚する』。 自由になりたい妻と、その自由ごと妻を愛したい夫。別れる準備から始まる、初めての恋。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/09/24
  • 現在の作品離婚予定の契約夫婦ですが、夫と「別れたあとにしたいこと」を一つずつ叶えています