あらすじ
人間は空を飛べない。
五年前、姉は中学校の卒業式の日に「飛んだ」。
家族は姉の存在を避けるようになり、弟の亮もまた、姉について考えることをやめていた。
高校二年生になった亮は、いじめを受け学校に行けなくなっていた。
そんなある日、元姉の部屋のアルバムから一通の手紙を見つける。
――「弟へ」
手紙を開くことができないまま、亮は姉のことを知るため、かつて姉と関わりのあった人々を訪ね始める。
語られる姉の姿は、人によって少しずつ違っていた。
そして姉について知るほどに、亮は自分自身が抱えていたものにも気づいていく。
姉が見ていた世界。
家族が語らなかったこと。
そして、最後に残された一通の手紙。
姉を知るための旅の先で、亮が見つけるものとは――。