あらすじ
奴隷番号317。
それが、少年に与えられた唯一の呼び名だった。
名前もない。
家族もない。
力もない。
ただ命令され、働き、不要になれば殺される。
そんな少年は、ある日、処分されるために森へ連れていかれる。
そこで出会ったのは、一人の奴隷少女だった。
「あなた、名前は?」
「……ない」
少女は少し考えてから、少年に名前を与えた。
――レン。
それが、少年が人間として呼ばれた最初の名前だった。
しかし、その日を境にレンの運命は大きく変わる。
死を目前にした瞬間、彼の中で何かが目を覚ました。
それは、この世界に存在する「神の力」を喰らう異質な力。
勇者の祝福も。
聖女の加護も。
魔王の権能も。
神から与えられた力なら、すべて喰らえる。
だが、レンはまだ知らない。
この世界で神々が人間に与えている「祝福」が、決して人間を救うためのものではないことを。
戦争も。
魔王も。
勇者も。
人々の祈りさえも。
すべては神々のために仕組まれたものだった。
そして神々には、決して知られてはならない存在がある。
神を殺すことのできる人間。
奴隷だった少年は、やがて世界の真実に辿り着く。
奪われ続けた人生を取り戻すため。
自分を人間として呼んでくれた少女を守るため。
そして――
この世界を弄ぶ神々を殺すため。
これは、最底辺の奴隷から始まる、一人の少年の神殺しの物語。