あらすじ
「リゼット・ノアール! 今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」
卒業記念夜会で、王太子エドガーから婚約破棄を突きつけられた侯爵令嬢リゼット。
「ミアとの手紙で本物の愛を知った」と胸を張る殿下。けれど、その恋文を書いたのは、実はリゼットだった。
祝辞も、答弁も、外交書簡も。
文章が壊滅的に書けない殿下に代わり、この六年すべてを代筆してきた彼女は、にっこり笑って告げる。
「つきましては、本日をもちまして、殿下の代筆のお役目も終了とさせていただきますね」
自分で書き始めた殿下の化けの皮は、みるみる剥がれていき――。
そんなある日、隣国から一人の王子がリゼットを訪ねてくる。
「六年間、あなたの手紙を読んできました」と。