あらすじ
元政治家・雨宮悠斗が転生したのは、人間、獣人、エルフ、魔族が利害をぶつけ合う異世界国家――聖民主王国フローリア。
与えられた役職は、国王でも宰相でもなく、まさかの「政策説明官補佐」。
しかも彼には、どんな政策でも最も前向きに伝えられる特殊能力《善意翻訳:グッド・インテンション》があった。
軍の撤退は「戦線の柔軟化」。
増税は「未来への共同投資」。
停電さえ「暗闇だからこそ見える星がある」。
分かりやすい言葉と善意に満ちた理想で国民の支持を集め、悠斗はついに支持率九十八パーセントの人気者となる。
――だが、政策は演説した瞬間には終わらない。
国境を開けば誰が来る?
武器を減らせば誰が従う?
金貨を配れば物価はどうなる?
自然を守れば仕事を失う人はいないのか?
和平を結べば、その費用は誰が払う?
正しい目的も、制度になれば人々が適応し、利害が動き、思いもしなかった副作用を生み始める。
理想を捨てればいいわけではない。
現実だけを見ればいいわけでもない。
これは、言葉で国を動かせると思っていた男が、失敗と請求書と支持率とドラゴンに振り回されながら、「政策とは何か」を学んでいく異世界政治コメディ。
この国は今日も、だいたい平和です。