あらすじ
小学五年生の森川 千紗には、大好きな人がいる。
学校で傷ついた千紗を励ましずっと見守ってくれた、和菓子屋『菓匠 たかせ』の一人娘、高瀬 遥。
学校帰りに店へ寄り、遥と話す時間は千紗にとって何より大切な日常だった。
けれど十五夜の日、『菓匠 たかせ』は町を離れ、遥も遠くへ引っ越してしまう。
「帰りに寄るから絶対いてよ。約束だよ!」
朝に交わした約束を胸に、一秒でも長く遥と一緒にいたいと願う千紗。
いつもの店先、いつものベンチ、いつものみたらし団子。
変わらないはずのものすべてに、少しずつ別れの時間が近づいていく。
大切な人が遠くなる十五夜。
夕暮れの中で交わされる、少女と年上の女性の小さな別れの物語。
【登場人物】
森川 千紗(もりかわ ちさ)
小学5年生の女の子。遥からは「ちーちゃん」と呼ばれている。
高瀬 遥(たかせ はるか)
21歳の女性。和菓子屋『菓匠 たかせ』の一人娘で跡継ぎ修行中。
千紗がとても懐いており、孤独だった千紗にとって特別な存在。