あらすじ
三年前、ダンジョンに呑まれた故郷の町に、救助が入ったのは九日後だった。
人の多い場所から順番に。それが、国の決めた「正しい」優先順位だった。
そして今。
重力の異能を持ちながら【制御E】の烙印を押された工学生・渡辺相は、深夜の大学でダンジョンに閉じ込められる。
建物の中には、四十二人。膜の外には、赤いランプが並んでいる。でも、誰も入ってこない。
待つか、抗うか。
研究室の機材と、基板に生えた透明な結晶で、彼は使えないはずの重力を"実用化"していく。
理不尽に振り切れるたび、重力は重くなる。