あらすじ
骨董古書店暁月堂の八鹿総悟は先代から受け継いだいわくつき品の帳簿、八鹿の物忘れを所持している。高台にある暁月堂で総悟は悠々自適に過ごし、たまに冷やかしでくる客には居留守を使い、たまにやってくる従姉妹の文音に追い立てられて裏山を走り、湧き水のきゅうりをかじっていた。ある暑い夏の日、休業日で在庫の古書を蔵で読もうと算段していると店の前から総悟を呼ぶ子どもの声が響く。
ごめんください。暁月堂様じゃないとダメなのです。早く来てくださいませんか。奥様からの言いつけなのです。このままでは里に返されてしまいます。
無視をしようと奥に引っ込もうとすると外国の硬貨が入った金魚鉢を蹴ってしまう。
子どもは五と名乗り、自らの丁稚先高田屋で起きた不思議な出来事を話し出す。ガラスの猿、金色のかんざし、龍の鉦、宋雀の砂、凶の鏡。
町に手の届く範囲で蒐集していた総悟は町から出て、八鹿の物忘れを蒐集することになった。