あらすじ
巨大植民艦「希望号」の裏路地に、夜二十二時からしか開かない小さな食堂がある。店主の悠人は軍の食堂をクビになり、地球に帰る渡航費三千万クレジットを稼ぐため、壊れかけのコンロ一つで鯖の味噌煮定食を出し始める。最初は客ゼロのはずが、夜勤帰りの副長レイラが一杯の飯に救われ、なぜか「夜間勤務者の栄養計算までしている専門家」と誤解されてしまう。さらに、手土産の餃子が農業区の食料トラブルを解きほぐし、謎の元兵士クロを冷蔵庫に隠す羽目になり、店は軍の警備、供給部の書類、艦内の政治騒ぎまで巻き込んでいく。料理の腕だけで銀河の片隅を生き抜く、勘違いだらけの食堂開拓記。