あらすじ
【あらすじ】
三十五歳の藤堂晶と、二十六歳の水野遥。
二人は、テニス仲間の飲み会で出会った。
慎重に考えてから動く晶と、動きながら答えを見つける遥。
九歳という年齢差も、仕事も、物事を決める速さも違う二人は、コーヒーを飲み、テニスをし、犬の散歩を重ねながら、少しずつ互いの日常に入り込んでいく。
二人の交際は、なぜか「契約」の話から始まった。
そんな会話から始まった二人は、やがて恋人になり、夫婦になり、家族になる。
けれど、結婚は物語の終わりではない。
仕事、子育て、出会いと別れ、すれ違い、傷つけてしまった相手との向き合い方。人生が形を変えるたび、二人の関係もまた問い直される。
好きになることは選べなくても、その気持ちをどう扱うかは選べる。
そばにいることも、離れることも、もう一度相手を知ろうとすることも。
出会いから老いまで。
同じ人を、何度でも選び直していく夫婦と家族の物語。
【主な登場人物】
◆藤堂 晶(とうどう・あきら)
三十五歳。元エンジニアで、人材紹介会社の営業を経て、事業会社の採用担当として働いている。
穏やかで論理的。何かを決める前に一度立ち止まり、理由を考える癖がある。一方で、自分の感情を言葉にすることはあまり得意ではない。友人からのあだ名は「トド」。
◆水野 遥(みずの・はるか)
二十六歳。営業職。
人の表情や言葉の変化によく気づき、初対面の相手とも自然に話せる。晶よりも先に動き、あとから自分の気持ちを知ることが多い。しっかりして見えるが、ときどき大事な場面ほど答えを出せなくなる。
◆ノア
晶と暮らす、雌のボーダーコリー。
二人の間に最初からいる、言葉を話さない家族。散歩の時間を通して、まだ恋人でもなかった晶と遥を少しずつ近づけていく。