あらすじ

セラフの少女フィナは、その日、初めての翼を授かることになっていた。 導き手は、六翼の元将軍エイリノラ。 場所は学院の大広間ではなく、彼女が昔から気に入っていた高原の花畑。 儀式は成功した。 フィナの背に、淡い青の第一翼が生まれる。 そして遠くでは、千年にわたり空に浮かび続けた都が、静かに崩れ始めていた。 鐘が鳴る。 塔が落ちる。 滝が消える。 それでもエイリノラは言う。 「大丈夫。続けよう」 「ご飯を食べるの」 最高位の転送術で学院からケーキを盗み、 役に立たない権能の話をして、 四百年前の落書きを思い出して。 世界の終わりまで、あとわずか。 これは第七紀元より遥か昔―― 竜とセラフの時代、第二紀元最後の日に交わされた、 ひとりの先生と、まだ一度も飛んだことのない少女の物語。 ※『Θόλοτάφος』と同一世界を舞台とした独立短編です。本作単体でもお読みいただけます。

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カクヨム
カクヨム2026/09/23
  • 現在の作品第二紀元最後の日、先生はケーキを盗んだ