あらすじ
侯爵令息ルシアンとの婚約披露の席で、妹アデリナから「その婚約指輪も、ルシアン様も、本当は私のものだった」と泣きつかれたセレスティーヌ。
両親も婚約者も妹を選び、指輪を渡すよう迫る。そこでセレスティーヌは、契約書を読むよう三度忠告したうえで、望みどおり婚約者と指輪を譲った。
だが、その指輪は侯爵家の花嫁の証であると同時に、当主家の全債務へ連帯責任を負う契約印だった。セレスティーヌが三年間かけて立て直していた事業も信用も、彼女個人との契約である。
華やかな地位だけを奪った妹と、地味な実務を軽んじた元婚約者。二人が借金の本当の額を知る頃、セレスティーヌは自分の能力を正当に評価する辺境伯と、新しい商会を立ち上げていた。
これは、何もかも譲った令嬢が責任まで正しく引き渡し、自分の人生と新しい恋を手に入れる物語。