あらすじ
「ゴキブリって、なんか変な名前じゃないですか?」
春山めぐは、虫を愛する大学院生。
北海道から東京へ出てきて初めてゴキブリを見た彼女は、その姿に興味を持ち、生物学を学び、今ではゴキブリを研究している。
ある日、撮影中にゴキブリを見つけためぐは、雨の中を追いかけていく。
その姿を収めた動画はSNSで話題になり、彼女のもとには思いがけない人物から連絡が届く。
人気インフルエンサー・雲乃。
「これ、紹介してもいいですか?」
その一言をきっかけに、二人は出会う。
虫をよく見る少女と、人をよく見る女。
めぐは、雲乃の華やかな姿の奥にあるものに興味を持ち、雲乃は、誰も気に留めないものをじっと見つめるめぐに惹かれていく。
やがて二人は、互いの知らなかった一面を少しずつ見つけていく。
「愛でるって、もう好きになってる感じがするんです」
「めづるって、好きになる前の、好きです」
虫から始まった「めづる」は、いつしか人へ向かっていく。
これは、見過ごされていたものを見つめる二人の物語。