あらすじ

昭和五十三年、地方新聞の片隅に奇妙な記事が残されていた。 『山間部の集落で住民不明』 家屋は残されていた。 囲炉裏には灰があり、湯飲みも食卓に置かれたまま。 しかし、そこに暮らしていたはずの人々だけが消えていた。 集落の名は「朽葉」。 現在の地図に、その名はない。 郷土誌にも、古地図にも、公的な記録にも残されていない。 わずかに残された新聞記事。 一枚の白黒写真。 語ることを拒む老人たち。 途中で途切れた子どもの歌。 調査を進めるほど、朽葉という集落は奇妙な輪郭を現し始める。 なぜ、人々は消えたのか。 なぜ、記録まで失われたのか。 そしてなぜ、朽葉を知る者たちは口を揃えるように、その名を忘れようとするのか。 これは、存在しない集落を追った十二日間の調査記録である。

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カクヨム
カクヨム2026/09/23
  • 現在の作品消えた集落