あらすじ
大きな魔法がなくても、暮らしはちゃんと少し変わる。
ノルメアの町では、冷えて固まった蜂蜜も、焦げた栗も、曲がった釘も、誰かにとってはその日の大事件。
魔法学院の子どもたち、パン屋、鍛冶屋、花屋、旅人――町で暮らす人々の一年を、ささやかな魔法と日々の出来事を通して描く日常ファンタジーです。
全100話完成済み。完結まで毎日更新します。
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フェルナヴェル王国の地方都市、ノルメア。
魔法学院に通うリオは、大きな魔法が少し苦手だった。
その代わり、物をゆっくり、むらなく温める小さな生活魔法《ぬくもれ》を使うことができる。
蜂蜜市を翌日に控えたある日、冷え込みで六つの蜂蜜樽が固まってしまう。
派手な魔法一つで解決することはできない。
けれど、リオの魔法と、保温石と、布と、人の手を少しずつ重ねれば――。
それは、ノルメアで続いていくたくさんの小さな物語の始まりだった。
強い火は得意でも、とろ火が苦手な子。
風の魔法を使いながら、よく立ち止まって観察する子。
パン屋、鍛冶屋、花屋、冒険者、郵便局員。
話ごとに主役は町の誰かへと移り、それぞれの一日が少しずつ重なっていく。
秋から冬へ、春から夏へ、そしてもう一度秋へ。
季節が巡るなか、古い灯りや井戸、風車にも小さな変化が現れ始める。
世界を救うためではなく、今日の暮らしを少しだけ良くするために使われる魔法。
ノルメアという小さな町の一年を描く、全100話の連作日常ファンタジー。