あらすじ
「好きです」
公演後、リングジャグラーのロイに突然そう告げたのは、社交界で『色恋令嬢』と噂される伯爵令嬢ヴァネッサだった。
男を次々と誘惑する令嬢。
そう聞いていたロイは、彼女の告白をあっさり断る。
けれど、毎日のようにサーカスへ通うヴァネッサは、噂とはまるで違っていた。
団員みんなに差し入れを配り、練習の邪魔はせず、ロイの公演を誰より楽しそうに応援する。
そして彼女は、決まってこう言うのだ。
「三回目は、必ず成功するもの」
やがてロイは知る。
彼女が『色恋令嬢』と呼ばれるようになった、本当の理由を。
そして、その生き方の原点に、自分のリングジャグリングがあったことを。
そんな中、ヴァネッサが敵国の諜報員に攫われる。
二度も彼女の想いを受け取らなかったロイは、四枚の戦闘用リングを手に取った。
今度は――自分から彼女を迎えに行くために。
これは、何度失敗しても恋を諦めない令嬢と、
舞台ではリングを落とし、戦場では決して外さないリングジャグラーの物語。