あらすじ

「この女性は、俺の妻だった」 男はそう訴えた。 だが、社会のあらゆる記録を保持する基盤システム《AKASHA》は、別の男を彼女の夫だと示している。 婚姻記録も、生活履歴も、旅行も、買い物も。 すべてが一致していた。 男の記憶を除いて。 ――近未来。 人々は、自分の人生をすべて覚えておく必要がなくなった。 出生から現在までの行動、契約、医療、移動、交友。 必要な情報はAKASHAに記録され、必要な時に確認すればいい。 人間の記憶より、記録の方が正確なのだから。 そんな社会にも、記録を調べるだけでは処理できない事件がある。 社会安全庁・事案管理局《例外事案課》。 そこへ集められたのは、正しい記録を疑う人間ではない。 記録が正しくてもなお残る「なぜ?」を拾う人間たちだった。 元・通常事案評価部の片瀬遼も、その一人。 記憶は証拠ではない。 勘違いなら、それでいい。 だが――なぜ勘違いしたのか。 その疑問だけは、捨てない。 記録は正しい。 分析も正しい。 システムは正常に動いている。 それでも解けない事件を、人間が問い直す。 そして一度解かれた例外は、二度と例外にはならない。 《AKASHA》が社会を支える時代の、近未来SFミステリー。

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カクヨム
カクヨム2026/09/23
  • 現在の作品AKASHA//ANOMALY