あらすじ

少年は、何をしても満たされなかった。 畑を耕しても。 友と遊んでも。 家族と食卓を囲んでも。 そんなある日、村を訪れた流浪の剣士が振るう一太刀に、少年は初めて心を奪われる。 同時に、思った。 ――なぜ、その程度で剣を納めるのか。 ――なぜ、剣士であるなら頂を目指さないのか。 その日から、少年は剣を振り続けた。 春も、夏も、秋も、冬も。 母を見送り、父を見送り、老いてなお。 そして七十九歳。 ついに老人の剣は、霞を斬る。 長い年月の果て、自らの剣が頂へ届いたと知った老人は、初めて山を下りる。 向かう先は帝都。 そこには、何十年も続いた大陸戦争を終わらせた若き皇帝―― 統一帝にして、剣帝レオンハルトがいた。 名もない老人と、天下最強と謳われた皇帝。 これは、剣以外のすべてを置いてきた一人の男が、 生涯の果てに“その先”を見る物語。 ※1話完結の短編です。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/23
  • 現在の作品無名として現れ、伝説となって去った。