あらすじ
就職氷河期の中、研究者への道を諦め、営業職として働いていた四十歳の男――真田純正。
学生時代は考古学を学び、修士号まで取得。社会人になってからも古代文字や古文書への興味を捨てきれず、休日には図書館へ通い、趣味として古代文字の解読を続けていた。
そんな彼の人生は、ある夜を境に突然終わる。
次に目を覚ました時、純正は剣と魔法の世界「エルネア」の小さな農村で、赤ん坊のアレンとして生まれ変わっていた。
転生して間もなく、アレンは地球には存在しなかった奇妙な感覚に気づく。
空気の中にも、自分の身体の中にも存在する“何か”。
この世界の人々にとっては、生まれた時からそこにある当たり前のもの。
だが、魔力の存在しない世界から来たアレンにとって、それは決して当たり前ではなかった。
赤ん坊で暇だった彼は、その正体も知らないまま、身体の中の違和感を動かし、集め、分け、細く伸ばして遊び始める。
それが後に、誰にも真似できないほど繊細な魔力操作へと繋がっていくことも知らずに。