あらすじ

あらすじ アストラ王国では、十二歳になると国民全員に「星印」が与えられる。 星印は身分と職業、将来の婚姻相手までも決める神聖な紋章。人々はそれを神託と呼び、星に選ばれなかった者を「無名」と呼んだ。 無名の少女トワ・ルーンは、下町の小さな仕立て屋で、破れた服を直して暮らしている。 高価な布も、貴族の見栄も、恋人同士の嘘も、彼女にとってはすべて同じだった。 縫い目があれば、ほどけばいい。 ところがある雨の夜、トワの店に持ち込まれたのは、王宮の星祭で使われる銀糸の外套だった。 持ち主は、王宮の神託を管理する第五王子リュカ。 外套の裏地には、本来存在しない黒い星が縫い込まれていた。 それは、王子を反逆者として処刑するための偽装か。 あるいは、七年前に星の天使として選ばれ、そのまま消えた王子の姉からの救難信号か。 さらに、黒い星の結び目には、行方不明になったトワの母親が使っていた仕立て屋の印が残されていた。 神様が決めた未来なら、誰も疑わない。 けれど、星の形を決めているのが人間なら。 名もなき仕立て屋の少女は、王宮中の美しい嘘を、一針ずつほどいていく。

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カクヨム
カクヨム2026/09/23
  • 現在の作品名もなき星糸仕立て屋は、王宮の神託をほどく ―天使のいない星降り祭―