あらすじ
息子が、罪を犯した。
その朝、母親の美佐子は、テレビの速報で息子の名前を知った。
恐怖と混乱の中で、彼女の胸に浮かんだのは、悲しみだけではなかった。
――私は、息子から解放されたのだ。
なぜ、母親はそんなことを思ったのか。
夫を亡くし、三人の子どもを育てる中で、彼女は息子の「普通」と向き合い続けてきた。
いじめ。
孤独。
家族の中で積み重なっていった小さな違和感。
そして、ある日、取り返しのつかない事件が起こる。
息子が罪を犯したとき、
その家族は何を背負うのか。
「家族だから」という言葉は、どこまで人を縛るのか。
これは、一人の母親が、息子と家族の十九年間を振り返る物語。