あらすじ
『僕が悪役令嬢で、悪役令嬢が僕で』
平穏な人生をこよなく愛する、平民の少年レイ。
彼には、ひとつだけ人には言えない秘密がある。
前世の日本で、姉に付き合わされて遊んだ乙女ゲーム――『王宮恋愛クロニクル』の記憶を持っているのだ。
そして、そのゲームに登場する悪役令嬢こそが、同じ学園に通う公爵令嬢クラリス・フォン・ヴァレンティアだった。
高慢で冷酷な悪役令嬢。
主人公フェルミナの恋路を邪魔し、婚約者である王太子アルフレッドとの婚約を破棄され、最後には命を落とす。
――そんな未来を、レイは知っていた。
「……このままだと、クラリスが死ぬ」
そう思ったレイは、ひそかに彼女の破滅を避けようと考えていた。
ところがある日。
学園の大階段で、レイとクラリスは奇妙な古代装置を発見する。
そして装置が突然起動し――。
二人の身体が入れ替わってしまった。
「なんで僕が悪役令嬢になってるの!?」
「それは私が聞きたいわ!」
こうして始まった、平民少年と公爵令嬢の入れ替わり生活。
レイはクラリスとして、豪華な屋敷、厳しい礼儀作法、山のような予定表、そして恐怖の社交界に放り込まれる。
一方のクラリスはレイとして、使用人のいない普通の家で暮らし、自分で好きなことを決めるという、これまで知らなかった「自由」を知っていく。
そして二人は、それぞれの立場から互いの人生を知ることになる。
そんな中、ゲームのヒロイン・フェルミナが学園へ転入。
本来なら物語は、ゲームのシナリオ通りに進むはずだった。
だが――何かがおかしい。
フェルミナは悪役令嬢を一方的に敵視しない。
王太子アルフレッドも、ゲームとは違う反応を見せる。
そして何より、レイの知っている「未来」と現実が、少しずつ食い違い始めていた。
最後に二人が向き合うことになるのは――。