あらすじ
現代日本で薬剤師として働いていた桐生澪は、過労で倒れたことをきっかけに、見知らぬ中華風異世界の少女・蘇半夏(そ・はんげ)の身体に転生する。
目を覚ますとそこは、皇帝の妃や女官たちが暮らす華麗なる後宮。だが半夏の立場は、最下層の下女で、しかも「病弱で気が弱い」と周囲から評される存在だった。現代の知識と冷静な観察眼を持つ澪――いや、半夏――は、この世界で二度目の人生を、自分らしく真剣に生きることを決意する。
後宮では、美しい衣装や甘い香りの裏に、毒による暗殺、不可解な病死、権力闘争の陰謀が渦巻いていた。薬学の知識を武器に、次々と起こる怪事件の真相を暴いていく半夏。彼女の活躍は、やがて冷徹な宦官・李月白や、優しい下級妃・柳蓮など、個性豊かな人々の目に留まり、宮廷の権力構造すら揺るがし始める。
入れ替わった身体の本来の持ち主の行方、この世界に転生した理由、そして後宮に潜む大きな謎――。半夏は、毒と薬、人の心の機微を読み解きながら、自分だけの居場所を築いていく。