あらすじ
現代日本の法医学者・朝倉祈(あさくら・いのり)は、解剖室での事故であっけなく命を落とした――はずだった。目覚めれば見知らぬ王朝の後宮、身寄りのない下女「阿祈(あき)」の体の中。配属先は、死んだ宮女を検める「洗屍房」。誰もが厭う仕事だが、祈にとっては勝手知ったる領分だった。
ある晩、下級妃づきの侍女が「急な病」で息を引き取る。遺体を検めた祈が覚えたのは、医学的な違和感――これは病ではない、毒だ。
けれど後宮で真実を語れば、次に検屍台に上がるのは自分かもしれない。それでも祈は、死者の声を代弁することをやめられない。転生した検屍女官が、後宮という名の迷宮で毒殺の真相に挑む、異世界後宮ミステリー、開幕。