あらすじ
「静かな場所で喫茶店を開きたい」
ブラックIT営業を辞めた佐藤孝志(29)は、その夢をこじらせた結果――世界で一番静かな(誰も来られない)未踏破ダンジョン最深部・深層100階『終焉の玉座』に店を開いてしまった。
店の名前は『喫茶ラビリンス』。
家賃はゼロ、珈琲豆の焙煎には原初の地熱。
防犯カメラ代わりのD-Tube配信をつけて、今日もエプロン姿で愚痴をこぼす。
「今日も客足ゼロです。立地が悪いのかなあ」
――だが、その配信には世界中から数十万人のリスナーが集まっていた。
『後ろで寝てる竜、世界滅ぼすやつじゃん!?』
『客が来ないのは立地のせいだよ!!』
『ここ国家総動員でも攻略不可能な人類未踏の絶望だぞwww』
ツッコミ殺到のコメント欄をよそに、マスターは勝手口から蒲田の業務スーパーへサンダルで買い物へ行き、怒鳴り込んできたラスボスの邪神美少女・アポカリプスを特製ホットケーキで餌付けしてバイトリーダーに任命。
さらに命からがら扉を蹴破った世界1位のSランク英雄パーティは、血まみれで号泣しながらナポリタンを貪り食う始末。
「討伐? そんなことより粉チーズ限界までかけてくれぇぇぇ!!」
「私を討伐しなさいよバカぁぁぁ!!」
無自覚最強マスター × 炭水化物に屈したラスボス美少女 × 爆笑ツッコミの数十万リスナーが織りなす、勘違い現代ダンジョン・カフェコメディ、開店です!
※カクヨム様にも同時掲載しています。