あらすじ
「お嬢ちゃん、一人か?」と背後から抱え上げられ、男だと分かった瞬間に彼女は言った。「ちょうどいい」
女だけのSランクパーティ「四葉」が探していたのは用心棒――表向きは。
本当の役目は、夜ごと彼女たちのテントに呼ばれる「夜の係」だった。
豪快な女戦士、色気のある魔導士、真面目な聖女、無口な獣人の斥候。四人は俺を「顔がいいだけの弱い男」だと思っている。
俺は一拍考えて、その役を引き受けた。北へ行く用がある。それに、侮られているほうが都合がいい。
朝の野営地には隠しきれない痕跡が残る。テントの外に放り出された下着、川で洗うと乾いてパリパリになる布、首筋を隠す聖女、乱れた獣人の尻尾の毛並み。
昼の行軍では、誰にも気づかれずに全員を守っている。逸れた矢も、転んだ狼も、彼女たちには「運がよかった」としか見えない。
俺は魔王を討った勇者だ。ただし王都が称えた勇者は、別の男の名前だった。
正体は一人ずつ、ばれていく。ばれた夜から、力関係はひっくり返る。
※性行為の直接描写はありません。事後の痕跡と情景、朝の所作で描きます。